SlateDegitalのコンデンサマイク「ML-1」を購入しました。
普通のコンデンサマイクそのものですが、同梱のプラグインと併用することで衝撃の性能を発揮できる、とんでもなく便利なマイクです。
今回の記事では、マイクの使用感や具体的なサウンド等、出来る限り参考になりそうな情報をお届けしていきます!
特徴
・マイク単体の音はナチュラルで近接効果が少ない
・サイズ感、重量ともに大きめ
質素な外箱を開けると、コンデンサマイク定番のジェラルミンケース。
箱の中身はショックマウントと本体と至ってシンプルです。
ショックマウントは大きめで存在感があり、マイクをセッティングすると
こんな感じ。
マイクそのものもある程度の長さがあって、とても存在感があります。
ちょうどセールで半額近い価格で展開されていた為、衝動的に買ってしまったのがこのML-1だったのですが、なんと言っても一本で>複数のハイエンドマイクのサウンドがシミュレート出来てしまうという、宅録DTMerにとっては有難過ぎる便利さを持っているのです。
同梱品
ちなみに本体はやや重みがある印象で、マイクスタンドによってはセッティングに工夫が必要かも。
ショックマウントの裏側はダイヤル式のネジになっており、マイクとがっちりドッキング出来る仕様になっています。
※アメコミヒーローのような存在感のあるロゴが印象的
マイク本来の音質
さて、マイク単体のサウンドがどんなものか検証してみます。
喋りの声とアコギの3種類で比較してみます。(随時追加予定)
声
※後日更新予定
アコギ
生楽器の収録においても優秀です。 アコースティックギター2本で録音してみました。
コスト差のあるギターで弾き比べたのですが、どちらもホール横、ボディとネックのジョイント部辺りを狙って、15cmほどの距離で収録してみました。
2つめのサンプルはギター特有の個性が目立ちますが、どちらも非常に繊細で解像度が高く、嫌みな感じも全くないサウンドです。
ハイエンドなマイクをシミュレート出来る「Virtual Mix Rack」
同梱のプラグイン「Virtual Mix Rack」を使用することで、いよいよこのマイクの本領が発揮されます。
左側のメニュー一覧から、「ClassicTubes」をドラッグで選択、マイク画面のUI上の「MIC」のボタンより各マイクの選択が可能で、「INTENSITY」ノブでサウンド細かい調節が可能。
付属マイクシミュレータはこちらの8点
- FG-47→U-47(TELEFUNKEN)
- FG-800→C-800G 9x (SONY)
- FG-251→ELA M 251(TELEFUNKEN)
- FG-67→U67(NEUMANN)
- FG-12→C12(AKG)
- FG-M7→SM7(Shure)
- FG-800M→C-800G(SONY)
- FG-269→M269(NEUMANN)
それぞれ、マイクのもともとのネーミングを模したものになっています。
あくまでプラグイン経由でのシミュレーターになるので、別のマイクで収録した音声にも使用可です。
もちろんシミュレータとしての恩恵を最大限に発揮するにはML-1で収録した音声であることがベストですが、別マイクとの組み合わせで色々模索するのも面白いかも知れません。
難点としては、プラグインの動作が重かったり、操作中にDAWが落ちるなどの症状が少し見受けられました。
DAWごと立ち上げ直したりすることで、一時的な改善が見られる為、まったく使用に耐えない程ではないですが、上手く付き合っていく必要がありそうです。
※ライセンスの通信の影響からなのか認証済みのモデルでも「NO LICENCE FOUND」の赤文字が出ていることもしばしば。 割り当てたマイクのシミュレータが適用されているかどうかはマメに確認した方が良いかも。 心配な人はバウンスしてしまうのも一つの手段かも。
各シミュレータを検証(アコースティックギターにて)
前項のサウンドサンプルに、各マイクを適用させた比較動画を作りました。
2本のアコギで、それぞれ同じフレーズで試しながら検証していきました。 本物の実機に対しての再現性についてはこの記事では触れませんが、少なくともアコギに相応しいシミュレータとそうでないものの違いが明らかであったのは確かです。
ラインナップの中から代表して筆者が感じ取った印象をいくつか挙げてみると
FGM7→ 高域のギラつきが抑えられる
FG800系→ 高域とそのアタックが強調される
FG269 → アコギの胴鳴りが強調された
コスト差のあるギター同士で比べてみて感じたのは、安価なギターでもしっかりとそれなりのサウンドに化けてくれるという点でした。
各マイクと、ギターの特性を理解してプラグインをかますことで、サウンド的なコスト差もイーブンになるかのような印象でした。
今回はストロークのみで検証してみましたが、リードで試してみるとまた違った表情を見せてくれるかもしれません。
FG800は、インプットゲインの影響をもろに受けます。
ピーク越えをしていなくても、そこそこの音量を持ったサウンドだと、低音がブーミーになる印象でした。
プリアンプ系
その他にも、下記のエフェクト群が使用可能です。
・FG-76(プリアンプ)
・Revial(エンハンサー)
・The Monster(コンプレッサー)
・Trimmer(トリムコントロール)
個人的には、Revial(エンハンサー)がかなり役に立ちそうです。
あとがき
一本で手軽にハイエンドマイクのサウンドを楽しめるML-1のご紹介でした。
様々なタイプの曲を制作される方や、弾き語りの方でも歌と楽器で個別の音作りをするのもきっとかなり面白いと思います。
なお、ご紹介したプラグインはiLok認証が必須ですので、筆者はコレの為にiLokのドングルキーを購入しました。
ちなみにプラグインの動作の不安定さが巷でささやかれていますが、筆者の環境下ではDAWが落ちる程までの影響はありませんでした。
<追記>2~3割程度の頻度で落ちます。負荷の多いプロジェクトで落ちる傾向が強いです。
また、同プラグインを複数立ち上げたプロジェクトは開くまで結構な時間がかかったり、他のプロジェクトと並行して開くことが出来なかったりなど、利用こそ出来ているものの安定してるとは言い難いのが現状です。
ただ、このプラグインの恩恵が有るか無いかでは、制作の幅はかなり違ってくるんじゃないかなと思うので、諸刃の剣というかなんというか。上手く付き合っていく必要はありそうです。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました!
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