サイハテツヤ氏のyoutubeチャンネル内にて「真赤」のミックス/インスト制作を行いました。

原曲について
原曲はMy Hair is Bad、2nd single「一目惚れ」内の一曲。
作詞作曲は椎木知仁さん。
マイヘアとの愛称で親しまれるバンドですが、最近サブスクを始めた事で、さらに人気に拍車がかかったイメージです。
この曲のリリースは今から6年も前に遡りますが、スタンダードな骨太ロックでありながらインパクトも多分で、彼らの代表曲とも言える一曲ではないかと思います。
実はこの楽曲は以前個人的に弾いてみたをやったことがあり、その打ち込みデータが残っていたのでそのデータを活用、ブラッシュアップさせて完成に至ります。
各パートの解説
各パートに分担して制作にあたってこだわった部分などを書いていきます。
ギター
FenderMexicoのジャズマスター/G&LのS-500(ストラトキャスター)を使用しました。
これらを1トラックづつダブルで収録しています。
原曲は半音下げだった為、先日個人的に購入したDropとMelodyneの性能を比較するため、レギュラーチューニングで録音、後処理で半音下げにしました。(実際に使用したトラックはDrop Melodyne/半音下げ全て併用しています)
今回はボーカルから完パケまで実質完全自主制作、という事になるなので、この辺の実験は今後の事も兼ねて積極的にやりました。
(正式な依頼だったら大人しく半音下げで収録しますけど笑)
リードパートはジャズマスターの方で、このパートはハムバッカーのピックアップで演奏しています。
最初は原曲よりも少し複雑な動きにしていたのですが、どうにもアンサンブルに合わなくて原曲準拠のフレーズに切り替えました。
原曲では全体通してギターのトーンも変わらないような印象ですが、Bメロで少し雰囲気を変えたかったこともあり、amplitubeでキャビネットを変更したり、サビではギターのBusをMS処理してセンターサイドでバランスを変えたりなど、調整には結構こだわりました。
そして一番重視したのは何と言っても歌いだし。
本家ではFenderライクで枯れた鳴りのアルペジオ、そして何とも気だるさと哀愁の漂うボーカルに対し、サイハテツヤ氏本人の声と歌い方にマッチして、なおかつ原曲を損ねないトーンの模索にウエイトを置いています。(結果マーシャルタイプのサウンドに落ち着きました)
ベース
YAMAHAのTRBX305をFingerモードで使用。
多分原曲はピック弾きと思われますが、今回はリアPU寄りの指弾きでRECしています。
丸くて存在感のあるサウンドを目指しました。
個人的にはピック弾きの方が得意ではあるのですが、曲のボルテージに追従させていくなら指弾きの方がいいかなと判断しました。でもこの収録を経て、指弾きは実用に耐えうるスキルに進化したなぁと、貴重な経験でした。
特にサビ前の4分フレーズはかなりエネルギッシュだし、控えめのインプットレベルでもピークレベルを超す勢いでプレイしました。
今回もベースの音作りは正直アンサンブルの中で一番難関なポイントで、音作りもAmplitube内でかなり試行錯誤を積んだうえ、ミックスの段階では最もいじくり回したパートでもありました。
ドラム
MODODRUMとBFD3を併用しました。
キットの構成はクラッシュLR+タム/フロアタム+スネア+ハイハット+ライド+スプラッシュ+チャイナ+バスドラ(In/Out)+チャイナの構成で。
セットをざっと視覚化するとこんな感じ。
フレーズは原曲準拠で凝ったことはほとんどしていません。
必要な時に必要なシンバルをきちんと鳴らすこと、キックの存在感を際立てることに重点を置いて制作しています。
その他
実はイントロ、多重録音のコーラスとオリジナルの隠しフレーズを入れています。
そしてAメロ、サビ前にはピックスクラッチを、部分的にE-Bowを使ったフィードバック音なんかも録音しています。
あとがき
1コーラスのみですが聞きごたえのあるトラックなるよう、特にバンドインした瞬間の「ドーン」がちゃんと伝わるように意識して制作しました。
この手の骨太なロックのミックスって簡単なようで意外とコツもたくさんあるんだなと改めて痛感しました。
ボーカルについての解説などは、サイハテツヤ氏(@saiha1028)のアカウントにも何か書かれているかも知れません。
興味のある方は是非フォローしてみて下さい。

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