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【制作後記】ブシロードミュージック「アニソン・ザ・パンク」のアレンジ解説

アニソン・ザ・パンク

2015年にブシロードミュージックよりリリースされたアニソンカバーアルバム「アニソン・ザ・パンク」の制作について、アレンジなどを意識した点を振り返りながら、書き起こしていきます。

参加経緯

管理人が当時在籍していたバンドで、ギタリストとして参加させて頂いた本作品。

アニメファンなら誰もが耳にしたことのあるアニソンを、ワンハーフサイズの利きやすいサイズでパンクアレンジした作品になっています。

アルバム曲のラインナップは以下の通り!

M-1ːもってけ!セーラーふく ( 『らき☆すた』 より)
M-2ːREADY!! ( 『THE IDOLM@STER』 より)
M-3ːハレ晴れユカイ ( 『涼宮ハルヒの憂鬱』 より)
M-4ːFantastic future ( 『変態王子と笑わない猫。』 より)
M-5ːいぇす!ゆゆゆ☆ゆるゆり♪♪ ( 『ゆるゆり♪♪』 より) 
M-6ː太陽曰く燃えよカオス ( 『這いよれ! ニャル子さん』 より)
M-7ːBe My Friend ( 『僕は友達が少ないNEXT』 より)
M-8ːinnocent starter ( 『魔法少女リリカルなのは』 より)
M-9ː創生のアクエリオン ( 『創生のアクエリオン』 より)
M-10ː経験値上昇中☆ ( 『みなみけ』 より)
M-11ːSHOOT! ( 『ロウきゅーぶ!』 より)
M-12ː侵略ノススメ☆ ( 『侵略!イカ娘』 より)
M-13ː正解は!ひとつじゃない!! ( 『探偵オペラ ミルキィホームズ』 より)
M-14ː境界の彼方 ( 『境界の彼方』 より)
M-15ːDAYS of DASH ( 『さくら荘のペットな彼女』 より)
M-16ːプレパレード ( 『とらドラ!』 より)
M-17ːQ&A リサイタル! ( 『となりの怪物くん』 より)
M-18ːすているめいと! ( 『ディーふらぐ! 』 より)
M-19ːSparkling Daydream ( 『中二病でも恋がしたい!』 より)
Bounus Track. only my railgun ( 『とある科学の超電磁砲』 より)

全曲のラインナップから演奏隊のメンバーそれぞれでアレンジを分担し、持ち寄ったデモを踏まえてスタジオでブラッシュアップしながらレコーディングに望みました。

アレンジをした担当メンバーを中心にディレクションをしていくという手法を取っているので、メンバーそれぞれのカラーが楽しめる作品になっています。

パンキッシュにリアレンジするというコンセプトだけでなく、既存楽曲に手を加えさせて頂くこと、バンドというグループでアレンジ曲の担当を割り振って制作したこと、全てが刺激的で今振り返っても貴重な経験でした。

 管理人がアレンジした楽曲

上記「アニソン・ザ・パンク」内で管理人がアレンジした楽曲は、以下のものになります。

※原曲のジャケット画像と共に、同アルバム内でのアレンジにあたってのポイントを記載します

M-5ːいぇす!ゆゆゆ☆ゆるゆり♪♪( 『ゆるゆり♪♪』 より)

本作品全体のスピーディーな曲を代表するような仕上がりを目指しました。

攻めるところ、ゆったり聞かせるところとかなりメリハリをつけるよう他の曲よりも意識して取り掛かりました。
イントロのリードフレーズ、間奏は全くの新規セクションを取り入れています。

結果イントロではドラムの疾走感と本楽曲のモチーフになる掛け声が良い塩梅で絡み合うように。
アニメ原作のほんわかポップな雰囲気をガラリと一変させるのはとてもアレンジのし甲斐がありました。

M-8ːinnocent starter ( 『魔法少女リリカルなのは』 より)

あくまで原曲のイメージは壊さず、でも最初のイントロを聞いたときに別物だと思ってもらえるような、絶妙なポイントを狙いました。
個人的にも思い入れの非常に強い楽曲だったこともあって、この曲を手掛ける時は特に、手に力が入りましたね。

ギターのトーンは繊細と荒々しさを併せ持つ音作りに。
基本的に各間奏等のモチーフ的な部分は原曲を踏襲しましたが、アウトロのソロはアドリブで収録したテイクを使用しています。

M-13ː正解はひとつ!じゃない!! ( 『探偵オペラ ミルキィホームズ』 より)

TOKYO MX「月刊ブシロードTV」の6月度OPテーマにも使って頂いた本楽曲。

この楽曲は少し遊び心を入れたかった点もあり、ド頭や要所でのドラムのフィルインにはロートタムを使用してもらうようお願いしました。

イントロとアウトロとリードフレーズははハモりのパターンが全く違っていたりと、リピートするほど面白く聞ける仕組みになっていたら嬉しいです。
重厚感のある男性コーラスにも注目です。

M-14ː境界の彼方 ( 『境界の彼方』 より)

THE HIGH-LOWSのような、往年のジャパニーズパンクを意識したアレンジです。

非常に洗練されている原曲なので、荒々しくも大切に弾きました。
ハムバッカー使用のジャズマスターをメインに使用した本作ですが、この楽曲だけはG&Lのストラトキャスターを使用しています。

本楽曲ではギターソロも一切無しにして、終始コードワークだけのという非常にシンプルな構成に。
「いなたい」雰囲気のアレンジと、繊細な歌声のコントラストを楽しんで頂けたら嬉しいです。

M-15ːDAYS of DASH ( 『さくら荘のペットな彼女』 より)

ド頭からからテンションMAXになるようなスピード感を意識しました。
イントロのギターリードは掛け合いになる構成に、Bメロでは大きいノリで弦楽器が動き回るようなアレンジで、リスナーをジェットコースターに乗せるようなつもりでアレンジしました。

ギターソロのセクションは全くの新規セクションにて。
全体のリズムパターンなども複数案用意したりと、アレンジが決定するまでの間はとても難産でした。

本作の収録曲はどれも原曲より遥かにテンポアップしたアレンジですが、この曲だけは原曲と全く同じテンポという点を一番に意識しました。
原曲との聞こえ方の違いも楽しんで頂ける楽曲です。

M-18ːすているめいと! ( 『ディーふらぐ! 』 より)

原曲そのものが奇抜なアレンジになっているのでどう仕上げていくか、一番悩んだ楽曲でもありました。
感覚的にはアレンジというよりは半分位新たに曲を作り上げるような感覚に近かったと思います。

リードギターはアルバムの中で最もソリッドなサウンドに、ギターソロは西川進さん意識でプレイしています。
結果楽曲内のセクションを一部入れ替えたり、ギターソロ内でベースに休み箇所を取り入れたり、クリアな響きのadd9コードをスパイスに取り入れたり等、最も大胆なアレンジを施した楽曲でもあります。

M-19ːSparkling Daydream ( 『中二病でも恋がしたい!』 より)

「不器用なパンクロッカー」をテーマに、全体的に手数は抑えるようアレンジしました。
サウンド面では前曲M-18とは対照的に、ファット雰囲気に。

ソロもアドリブっぽく起承転結を取り払うような、ワンコード的なソロを取り入れています。
一方でイントロのモチーフになる部分は誰が聞いても分かるような、小奇麗さを意識してアレンジしています。

あとがき

『原曲の雰囲気を損なわず、且つ新しいものに聞こえるように』

どの楽曲を手掛ける上でも意識した事ですが、自分がアレンジした楽曲全体を振り返るとパンクスタイルの新旧がかなり織り交ざったラインナップになったような気がしています。

本作への取り組みにあたっては「パンク」という1つのテーマにより広がりを持たせる事も一つの自分の役割と思って制作していたので、敢えて原曲の要素を全く残さなかったセクションを取り入れたくらい大胆なアレンジを施した曲もあったりと、色々な面でアドベンチャーを試みた制作でした。

当時在籍していた同バンドがパンクバンドでは無かっただけに、音楽面/メンタル面でもパンクとは何か、そもそも音楽ジャンルとは一体何なのか。。
そんなことを常に考えながら制作していたのをよく覚えています。

本作はiTunesやレコチョク等の各配信サービスでもお楽しみ頂けます!
※BounsTrackは配信対象外

<関連リンク>
http://www.strobecider.com/
https://bushiroad.com/

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