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ギターの仕組みから覚える!リアルなストロークの再現で打ち込みギターを本格的に!


個人がパソコン1台で音楽を作れる便利な時代ですが、ギターという楽器は打ち込みで再現するのはまだまだ難しく、その方法に頭を抱えるDTMerの方々も少なくないのではないでしょうか。 本記事では、リアルなギターの打ち込みの方法についてお伝えしていく記事です。

第一弾の今回は、ストロークの面にスポットを当ててお伝えしていきます。

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はじめに

現代の音楽では、打ち込みギターで音源を完成させる例はまだあまり多くないのが現状だと思いますが、これから技術が進歩してリアルなギター音源が増えていくにあたり、ギター演奏も年々打ち込みによるものが増えてくると予想しています。

現代の打ち込みギターが、バンドメンバーに聞かせるためのデモや楽曲コンペ用等、比較的デモ的な用途に使われている印象ですが、今のうちからギターの仕組みごと覚えていくことで、将来的にもお役立ていただけるかと思いこのシリーズを始めてみました。

ストロークとは

ギターを演奏しない方にとってはあまり馴染みのない言葉かも知れませんが、ストロークというのはピックを使って弦を振り下ろしたり、振り上げたりする一連の動作のことを総称してこのように呼びます。

ピックを振り下ろせばダウンストローク、振り上げればアップストロークといった言葉の使い方となります。
特にコードを押さえている時はコードストロークなんていうふうに呼ばれることもあり、ブラッシングやカッティングなどをするときにも、このストロークという言葉は当てはまるものです。

実際のストロークってどんなの?

ストロークにはいくつか種類が存在しますが、どのストロークにも共通するポイントが2点あります。

・鳴らす弦のタイミングが異なる
・弦一本ずつの強さもそれぞれ異なり、ランダム性がある

この2点は複数弦のストロークにおいて、>ほぼ全てのケースに当てはまると言って差しさわりありません。

ただし、それぞれのポイントが演奏のケースなどにより微妙にコツが変化していくという感じなので、生演奏の動画を交えながら順に説明をしていきたいと思います。

ダウンストローク

その名の通り、ピックを低音弦から高音弦に振り下ろすことをダウンストロークと呼びます。

多くのストロークはダウンから始まるものが多く、特にダウンストロークだけが連続すると疾走感が得られたりなど、ストロークの中でも多くの割合や要素を占める基本的なものです。

アップストローク

こちらも同様に名前通りピックを高音弦から低音弦側に向けて振り上げる動作の事を指します。

使われる場面や条件等がダウンに比べると少し限られますが、ギターらしい奏法を再現する上ではこの奏法も欠かせないところ、この奏法が使われるケースなどの詳細は後述。

オルタネイトストローク(ピッキング)

ダウンとアップピッキングが連続で繰り返される奏法はオルタネイトピッキングと呼ばれ、最も分かりやすい例として主に弾き語りなどによる一連のピッキング動作などがこれに当てはまります。

実際にこの奏法を手打ちで再現する場合は、>ダウンとアップピッキングの特性を上手くコンビネーションさせる必要があります。

ちなみに余談ですがストロークの類義語として、「ストラム(strum)」という言葉があります。

日本では打ち込みギターのソフトなんかにはこの表現はよく使われ、直訳すると「かき鳴らし」の動作の事を指すのですが、その意味合いからすると単音のカッティングなどでも使えるストロークの方が広い意味を持っていそうです。

ストロークは大きく分けると以上の3種類となりますが、楽曲のBPMやジャンル、奏者のニュアンス等にもよって色々と影響が出る面もあるため、ポイントは上記の点だけでは語り尽くせない面もあります。

本記事ではその奏法の基本的な面と、一部の例外を中心に書いていきます。

打ち込みで再現

では実際に打ち込みで今のフレーズを再現してみます。 発音タイミングとベロシティがすべて一定の状態です。

聞いて頂いて分かる通り、機械的で生演奏的な要素は皆無です。   そしてこちらが前項の点を踏まえて打ち込みしたもの

かなりギターらしく、生演奏感もきちんと感じられるようになりました。 具体的にどのような点を意識したかというと。

発音タイミングをズラす

まずは弦の発音タイミングをズラすこと。 とはいえ、単にズラせばいいかという事でもなく、ちょっとしたコツやポイントがあります。

ダウンストロークの場合は低音弦から高音弦に向けて、アップストロークの場合はその逆でアプローチしてあげる必要があります。

つまり…!ズラすとはいってもこのようにランダムになることはありません。
※ストロークの場合はこのようにランダムな発音とはならない(アルペジオは例外)

ズラした音の間隔

そしてもう一つの点は、ズラした発音タイミングの間隔が大きなポイントとして挙げられます。
発音タイミングをズラすとこのような階段が出来上がると思いますが、この階段が広いほど(緩やかなほど)ゆったりとしたストロークになります。

分かりやすい例で言えば、楽曲の一番最後でギターのみのダウンストロークで終わる曲などにはこの手法はかなり効果的です。

その他にもBPMが緩やかな曲、スピーディーな楽曲の中でもストロークの緩急を使い分けることでより生きたフレーズ構築が出来るようになります。

ベロシティの配列

前項では弾いた弦それぞれにランダム性があるとお伝えしました。 …が!この場合も前項同様にランダムでありさえすればそれで良い訳ではありません。

ストロークの際にベロシティがバラけるのには一定の法則があります。

アップストロークの注意点

アップストロークが用いられる主なケースとしては、下記の3つあたりが挙げられそうです。

・ダウンストロークと一体で使用されるケース
・裏打ちカッティング
・単発でのアップストローク

高音弦から低音弦に向けて振り上げられるのは、既に説明したとおりですが、アップストロークはダウンの場合と違い、ダウンストロークの切返しとして使用されるケースが多いです。

このようにオルタネイトピッキングをMIDIで再現すると、このような感じに。

ダウンの切返しとしてのアップは必然的なものではありますが、アップストロークの中にも単体で効果を発揮できるケースが幾つかあります。 その例と注意点を挙げていきましょう。

例①休符を挟むアップストローク

解説に入る前に、アップストロークはダウンの場合と違い、本質的には連続して行われることがない、という事を念頭に置いてもらえたらと思います。(詳細は後述)

まず第一の例として、休符を挟むアップストロークが挙げられます。

動画をご覧頂くと、アップストロークから次のアップストロークまでの間に休符的な要素が入るため、真の意味でアップストロークが連続することはほぼ有りません。

もう一つの例がコチラ↓

↑の例の場合がシンコペーションの時にアップが連続しますが、感覚的にはアップと次のアップの間に休符的な一拍が入るようなイメージです。

このようにストロークの一環でアップが連続することは良くある一例として挙げられます

アップストロークは連続しない

それに対し、ダウンストロークは休符要素無しで単体で連続使用が可能です。

ロックに多く見られる手法で、曲にもスピーディーな疾走感を与えたりすることが出来ます。

しかし、同じような手法でアップを連続させると…。

決して不可能ではないものの、↑のように休符要素無しでアップが連続する手法は、あまり現実的では有りません。 広いギタリスト界の中では使われるケースもあるかも知れませんが、ここまで連続するケースはないといtttいづれにせよ人間工学的にも自然とは言い難いのは間違いありません。

スカパンク系の連続アップ

ちなみに、アップストロークが連続する別のケースとして、スカやスカパンク系の裏打ちカッティングというものもあります。

このケースの場合は軽やかさが重要になってくるため、6本弦全て鳴らさずに1~3弦あたりを使って演奏されるケースが大多数です。

押弦した左手を素早く浮かせるようにするテクニックで音を素早く切るのがこのカッティングですが、こちらの場合も一つ一つのストロークの間に休符(というよりダウンのブラッシング)が入っているため、アップストロークはダウン(空振りを含む)と実質ニコイチの関係といっても差しさわりないでしょう。

まとめると、アップストロークの打ち込みをする上での注意点としては

・アップのみが連続で使用され続けるケースは少ない
・連続で使用する場合は休符的な要素が伴う

補足

上記で説明した点以外にもストロークにおいての注意点がいくつか有ります。

・コードチェンジの時には若干の音の隙間が生じる
グリッド線をまたぐように階段を作ることでよりリアルに
・ストロークの大振りと小振りを使い分ける
・5~6本弦をはじく場合のベロシティについて

まずコードチェンジの際には必ずと言っていい程一定の音の隙間が生じます。

これはコードを切り替える時に左手が一瞬弦から離れることに起因していますが、これが顕著に表れる時とそうでない時があります。

例えばバレーコードのGからローコードのCへ切り替えた場合

この場合は、コード同士の音の途切れは顕著に現れます。

なぜなら最初のコードの構成音は、左手の指全てによって抑えられているものだからです。 上記の動画をMIDI化すると、こんな感じ。
では今度はローコード同士でGからCへ切り替えた場合

先ほどのものと比較して、明らかに音切れが少ないことが分かります。
これはコードチェンジの際に指が弦から離れても、残りの弦(この場合は4~2弦)が鳴り続けてくれているからなんです。

グリッド線をまたぐように

ストローク特有のジャラジャラとした雰囲気を出すためには、コードの構成音をストロークのタイプに応じて階段状にすること、そしてその音同士の間隔でグルーヴや雰囲気をコントロールすることが出来ることを前項でお伝えいたしました。

全ての弦が同時に発音しないことは既に触れた通りですが、楽曲のBPMが遅いほど、そして特にバレーコードやローコード等、ストロークする弦の量が多いほど、ジャラジャラとしたニュアンスの傾向が顕著です。

であるが故に、ストロークでの奏法の場合は、そのグルーヴを点で捉えにくく、音の開始点さえグリッドに合わせれば良いかというと、必ずしもそうとは言い切れません。

ジャラーンとゆったりしたストロークを再現するにあたっては、小節のグリッド線をまたぐように打ち込んであげると、比較的ジャストなノリに近くなります。

グリッド線を跨がない場合↓

グリッド線を跨ぐ場合

ベロシティの設定方法

そしてギターに触れたことのない方は、おそらく各弦のベロシティの設定に悩むのではないでしょうか。
冒頭に、はじく弦の強さにランダム性があるとお伝えいたしましたが、その一方でストロークにおいてのある程度の法則性があるのも事実です。

ここでもう一度ゆっくりストロークしたものをご覧いただきましょう。まずはダウンから。

アップストローク↓

各弦がどのような強さで弾かれているのかを、筆者の体感でベロシティ化してみるとこんな感じです。

基本的にはストロークの通過点である3.4弦当たりは最もベロシティが低く、端側にあたる5.6弦、1.2弦あたりは比較的強く弾かれる印象です。

もちろんピッキングニュアンスにもよって変化するものですし、例えばアコギで終止力強くジャカジャカと弾く場合なんかはベロシティの階段幅は狭くなるはずですが、ギタリストでもある筆者の検証では、上記の法則はどのような例でもある程度共通でした。

あとがき

ギターストロークのリアルな打ち込みの方法について解説させていただきました。

一歩進んだトラックメイクをするために、仕組み的な部分から紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか。

本記事でお伝えした内容は、あくまで基本の部分ですが音源の種類にもよってベロシティ等の反応などが違ったり等もありますので、記事の内容を参考に皆さんで色々と開拓していくのも面白いと思います。

ギターの仕組みについてもっと知りたい方、こんな点について解説してほしい等があれば、コメント欄の方でも是非教えてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事が面白いと思った方は、是非他の記事にもお立ち寄りください。

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