10月8日放送の関ジャムが個人的にメチャメチャ面白かったので内容を纏めたいと思います。
前回の記事にも書いたとおり、ヴィジュアル系がルーツミュージックとなっている身としては、この記事は書かずには居られません。
もくじ
言葉の起源
「ヴィジュアル系」という言葉の起源ですが、日本でムーブメントの先駆けとなったXのアルバム「BLUR BLOOD」のキャッチコピーでもある「VISUAL SHOCK」から派生したという一説があります。
ちなみに本来のVISUALという単語は「視覚」という意味合いがあり、「見た目」的な意味で解釈される我々の認識とは少し違うようです。
バンドとしての新しい見せ方
そんなヴィジュアル系の先駆者でもあったX。
派手な衣装だけでなく、クリスタルピアノやクリスタルドラムなどの見た目を引きつける個性的な楽器も大きな特徴の一つでもあります。
番組内ではHIDEのモッキンバードも取り上げられていましたね。僕個人はイエローのボディにハートの模様がデザインされたモデルが特に印象的でした。
ヴィジュアル系は音楽ジャンルじゃない
よくよく聞いてみると、どのバンドもパンクからメタル、ポップスっぽいものまで、音楽ジャンルが全く違うことが分かります。これは昔も今も同じことが言えそうですね。
ヴィジュアル系という単語は音楽ジャンルとしてよりも文化的要素が強いとの事。これには僕もかなり納得しました。
あとは本人たちが「ヴィジュアル系」と自覚して活動するようなマインド的な部分と、うっすらメイクでも世間から「ヴィジュアル系」と区別されるようなリスナー側の評価が入り混じったりと、線引きが非常に難しい部分でもあるようです。
80年代 創成期
ヴィジュアル系が誕生した時代。
当時世の中には「ヴィジュアル系」という言葉すらまだ無く、ムーヴメントの先駆けとなったのはあのX JAPAN(当時はX)でした。
L.Aメタルやジャーマンメタルから色濃く影響を受け、それを日本人好みに作ることで一大ムーブメントを巻き起こしました。ギタリストとしても16分のブリッジミュートでのあの疾走感にはとても影響を受けましたね。
※L.Aメタル…80年代ロサンゼルスを中心に流行。メロディーの展開はあまりない
ジャーマンメタル…80~90年代にドイツで流行。メロディーの展開が多め。
この時期に一斉を風靡したバンドは下記の通り。
BUCK-TICK
DEAD END
COLOR
AURA
BY-SEXUAL
僕はまだ音楽にすら触れていなかった時代だったのもあって、知らないバンドもチラホラと。
90年代黄金期 前半
LUNA SEA
僕世代の人達のなかではLUNA SEAの存在は外せないでしょう。
昔いっぱいコピーして練習したし、今でも勉強させられることが非常に多いです。
番組内では「バンドでコピーしたくなるフレーズ作り」や「食い込むリズムストロークとグリッサンドを生かしたフレーズが特長」と紹介されていました。
とにかく派手なパフォーマンスの1つとして真矢の空中回転ドラムが取り上げられていましたが、他にもJのマイクスタンド投げや、SUGIZOののけぞりながらのハーモニクススクウィールなんかもファンの間ではかなり印象深いと思います。
黒夢
Vo清春とBa人時の二人組みユニット。
…ユニットと表現するのも違和感があるくらい限りなくバンドに近かったです、というかもうバンドそのものです。
番組内では「思春期の少年に刺さる、暗い歌詞が特徴」と紹介されているだけあって、
その歌詞からは、退廃的なメッセージすら感じます。
パンク色の強いアルバム「CORKSCREW」から黒夢にハマった僕としては、ヴィジュアル系というくくりで見ていなかったので、ここで紹介されたのはちょっと意外でした。でもデビュー当時はやっぱメイクも濃い目でしたね。
GLAY
こちらもヴィジュアル系バンドとして紹介された事も驚きだったくらい、「国民的ロックバンド」という印象の方がはるかに強いのではないでしょうか。
X JAPANのYOSHIKIプロデュースでデビュー。幕張メッセで20万人のライブを開催したのも、当時のムーブメントとしてはかなり有名な話ですよね。
「親に紹介できるヴィジュアル系」と紹介され、歌詞の中にも「あなた」という柔らかい二人称があることから、男女問わず誰でも入りやすいストーリーが描かれています。
ちなみに僕個人は、1999年にリリースされた「サバイバル」のサビの早口歌詞と目まぐるしく切り替わるPVのカメラアングルがとても印象的でした。
90年代黄金期 後半
知る人ぞ知る音楽情報番組「BreakOut」アツかったこの時代。 ちなみにこのとき僕はちょうど中学生になろうかという頃。
学校のクラス内でもヴィジュアル系のブームを肌で感じられるようになったのはこの頃からでしたね。
この時代に登場したバンドは下記の通り。思い出深すぎてヤバい。
SHAZNA
Vo.IZAMが率いる女装バンド
「女形」と呼ばれるポジションがバンド内にもあるのは、今となっては珍しくはありませんが、敢えて女装を前面にウリにするのは、当時としてはかなり斬新でした。
La’cryma Christi
ヴィジュアル界きっての超美声バンド。
「La’cryma」の意味は「涙」とされていることから、「キリストの涙」をバンドのコンセプトとしているようです。
個人的にはGtのHIROのメイクがとにかく印象的だったのを覚えています。BaのSHUSEはAcidBlackCherryでも活躍していますね。
MALICE MIZER
GACKTがボーカルを勤めていたバンド。「月下の夜想曲」のド派手なPVが今でも脳裏に焼きついています。
「クラシックとロックの融合」をコンセプトとし、楽器が弾けるにも関わらず時にはダンスで魅せたりと、バンドという肩書きにとらわれず、あらゆる表現でファンを魅了していたバンドだったかなと思います。
ちなみに僕が推したいのは「au revoir」一番の名曲です。
SOPHIA
バンドの顔ともいえる、松岡充がボーカルを勤めるバンド。
控えめなメイクが特徴の、所謂ソフトヴィジュアル系としてファンに愛されていたようです。
余談ですが、キーボードの都啓一さんは悪性リンパ腫をわずらい、2010年にそれを克服したようです。
悪性リンパ腫疑惑があった自分としてはシンパシーを感じてしまいました。
PENICILLIN
最初にその名前を聞いた時「なんてイヤラシイバンド名なんだ…!!?」と思ってましたが、実際の由来は薬の名前からだったんですね、すみませんでした(笑)
「すごいよ!!マサルさん」の主題歌「ロマンス」でブレイク。中学のクラスでもメッチャ流行りました。
今思えばエレキギター特有の奏法はこのバンドから学んだ気がしますね。
「理想の舌」で奏でていた千聖のピッキングハーモニクスに魅せられたのは今でも忘れられません。
Janne Da Arc
管理人の主観が入ってしまって大変申し訳ないのですが、、
マジで超大好きなバンドです。
ヴィジュアル系ロックので最も聞き込み、最も追いかけ、最も憧れ続けたバンドでした。
当時からそれぞれの演奏スキルが非常にハイレベルだったことから「テクニック集団」と呼ばれていたりと、ロックスターにあこがれるバンドキッズたちの心をつかんで離さない存在でした。
彼らの魅力は、ブレイクした「月光花」以前の楽曲からも存分に味わうことが出来ます。
SIAM SHADE
こちらも管理人イチオシのバンドですね!
アニメ「るろうに剣心」の主題歌でおなじみの「1/3の純情な感情」でブレイク。
ギタリストでもある管理人としては、その超絶なテクニックと安定したプレイでおなじみのGtのDAITAからの影響がとてもとても色濃いワケですが、
テクニックの匠であるDAITAと対照的に華麗なステージングとコーラスで魅せるKAZUMAの対比もすごく面白いバンドです。
Drの淳士はAcidBlackCherryだけでなく、様々な現場で活躍しています。
DIR EN GREY
3枚同時のデビューシングルがかなり印象的だったDir en grey(当時はこの表記)
X JAPANのYOSHIKIのプロデュースでデビュー。初期の頃の曲は結構たくさんコピーしたのを覚えています。
番組内では、過激過ぎるパフォーマンスでMステにヴィジュアル系が当面出演できなくなってしまったという噂も生まれたようです。
音楽性や表現方法は長い期間で試行錯誤を重ね、今は海外を中心に活動しており、日本のチャートとは一線の距離を置いているように思えます。
僕がとにかく凄いと思うのはVo.京の多彩な発声テクニックでしょう。
地を這うようなグロウルや、空間を切り裂くようなホイッスルボイスなど、ヴォーカリストとして常人ではたどり着けない域に達しているのは間違いないです。
過激なPVや演出、表現方法をトータルで捕らえると、バンドというよりももはや「アート」の世界だなと個人的に受け取ります。
アルバム「UROBOROS」が世界17カ国で同時期に発売、米ビルボード誌のチャートで1位を獲得、さらには世界30カ国でのライブの開催など、世界を舞台に数々の快挙を成し遂げています。
「親に紹介しにくいバンド」としても取り上げられていましたが、この功績を鑑みれば賞賛に値すべきなのは間違いなさそうです。
00年代 ネオヴィジュアル系
LUNA SEAの終幕やhideの他界、X JAPANの解散など、ヴィジュアル系の勢いが衰退していたこの頃、取り上げられたバンドはこの5つ。
シド
ナイトメア
アンティック-珈琲店-
SuG
the GazettE
世界進出を果たしたバンドも多い中、シドはアニソンタイアップで海外に進出。
これは彼らの実力に加え、時代の流れとの相乗効果とも言えそうです。
ヴィジュアル系特有の、見た目のコスプレ感や非日常感が海外の人々のセンスにマッチしたとも語られていました。
10年代 戦国期
今やお茶の間でもお馴染みの、ゴールデンボンバーが2011年に、常識を打ち破るスタイルで世に出たのも記憶に新しいと思います。
数々のバンドがあまりにも多様なスタイルで世に出てしまったため、ゲストの鬼龍院翔曰く、「もう何だか分からない…」とされたヴィジュアル系戦国期。
紹介されたバンドはコチラ
己龍…琴や和笛、読経を組み込んだ「和製ホラー」をコンセプトに、和楽器をサウンドに融合させたバンド
ペンタゴン…2015年結成。パリピなバンドをコンセプトに活動。Ba.眠花-minpha-の可愛さも注目。
Jin-Machine…家族全員で楽しめる楽曲が特徴。Voのfeaturing16は現役のお笑い芸人。
Leetspeak Monsters…ハロウィンをコンセプトに活動。ミュージカルなどの要素を取り入れたバンド。
Kaya…ソロシンガーでありながら、ヴィジュアルロック界の女形の最終形態を。
えんそく…「いつまでもガキのまま」マイノリティ志向をコンセプトとしたバンド。
ものすごい個性のオンパレード!シーンの進化がますます楽しみです。
ヤンキー文化が色濃い?
番組内では、ヴィジュアル系界隈はヤンキー文化が強いと言われていました。
バンドを組むのに挨拶が必要だったり、人気が有る後輩は先輩に絡まれたりと、後輩バンドもなかなか苦労していたようです。
一時僕もヴィジュアル系の界隈で演奏していた時期もありましたが、縦社会感は他のどの現場よりも強かったと思いますね。
僕よりも年上世代のバンドは今よりもはるかに縦社会が強かったでしょうから、上手くやっていくのにはなおさら苦労したのではないでしょうか。
あとがき
長い期間を掛けて、個々のバンドそれぞれの表現を積み重ねた結果、多様に進化した独自のジャンル、「ヴィジュアル系」
これを読んだあなたは、もはや彼らを「ヴィジュアル系」とひと括りには出来ないでしょう(笑)
今後も時代の流れともに、これからどんな進化を遂げていくのか楽しみですね!
ではでは、!