以前に書いた、作曲コンペのメリットについての記事ですが、ありがたい事に最近よく読まれています。
もともとは、最終選考まで通った自分の楽曲があえなく不採用となってしまったことがこの記事を書いたキッカケでした。
楽曲も無事に返却されましたので、一般公開と共に僕の個人的なポートフォリオ音源にしたいと思います。
募集楽曲の概要とテーマ
早速ですが、実際に提出した楽曲はコレ↓
コンペ概要の詳細はもちろん企業秘密なので公表出来ませんが、楽曲の途中の転調だったりドラマチックに駆け上がるストリングス等、オーダーの内容等を踏まえて制作しました。
あまり多くの事は書けませんがザックリ説明すると「戦」をテーマにした楽曲作成のコンペでした。
仮歌は更科夢那さんに協力してもらいました。
制作のポイント
コンペ募集の連絡を受けてから、納期までは割と時間に余裕があったので、じっくりとイメージを固めてから制作に入りました。
最初はあんまりDAWや楽器にも触らず、メロディの抑揚やフックとなる転調もどこで取り入れるか…等々の全体的な構想を、だいたい2.3日くらいはぼんやりと頭の中で纏めることから始めました。
募集案件の内容から、武士が馬に乗って勇ましく出陣するかのようなシーンがぴったりだった為、そこからどんなテンポ、アンサンブルにしていくかをじっくりと練りました。
イントロの最後の方なんかは、なんとなくそのシリーズの「型」にはめるようなイメージで製作。
DAWと向き合ってからは、じっくりとメロディを練る部分に集中しましたが、事前に構想をしっかり練れていたのもあってアレンジ的な部分での迷いはほとんどありませんでした。
仮歌さんが非常に秀逸だったので、再生した瞬間から良い第一印象を与えられたかな?と思っています。
苦労した点
なるべくデモの段階でも商業音源として伝わるように音色を選んだりしました。ストリングス/ブラスに関しては少し極端なくらいオートメーションを。
僕はギタリストなのでギターも当然生で入れることがほとんどですが、こういうミックスにする場合、ギターの立ち位置的な部分は絶妙な塩梅が必要かなと思います。
特にブラスやストリングスを印象的にしたいとの先方からの要望もあったため、その部分には結構時間をかけた覚えがあります。気持ち的には完パケと同じ意気込みで制作しました。
そして何よりも1番苦労したのは歌詞ですね。作曲以上にじっくりと練りこんだも知れないくらいです。
最終選考から落選までの経緯
落選までの間、デモは実は2回提出しています。↑の音源は手直しを入れた2回目のものを1回目のデモのテイクと掛け合わせて再編集したものです。
初回の歌メロはもう少しドラマチックで抑揚もあって先方に気に入ってもらえたのですが、歌メロのレンジにやや難ありだったようで、さらなる要望が書かれた修正シート的なものが届きました。
すかさず同じ仮歌さんに打診をして、その間にメロディの修正と更なる仮歌詞の制作に。
ちなみに初回のデモ提出の時は仮歌詞も一部分+ラララだったのですが、修正依頼が来た時にもっと仮歌詞を加えても良さそうとのアドバイスも頂いた結果、ワンコーラス分全ての歌詞が出来てしまったという感じ 笑
修正依頼を受けてから再提出までの間は、だいたい1週間くらいでした。
そしてその数日後、あえなく落選の連絡を受けることになります。
あとがき
以前の記事よりもさらにリアルな部分をお伝え出来ればと思って書いてみました。
正直僕自身、この楽曲のクオリティが競合のライバル同士の中でどれくらいのものなのかは分かっていません。
コンペの参加者は、実際に事務所に所属している方もいればそうじゃない方もいると思いますが、数多くのライバルの実力や、選考の実態はなかなか見えにくいもの。
結果的には落選でしたが、歌詞やメロディに集中出来たのはやっぱりイメージを練ってから制作したという部分が大きかったのかなと思います。
採用を目指している方はの一つの基準にしてみてくださいね!
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